情シス初心者向け! 正しい多要素認証の知識と導入手順とは

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    情シス初心者向け! 正しい多要素認証の知識と導入手順とは
    作成日時 24/02/21 (09:05) View 264



    デジタルセキュリティの世界ではパスワード認証の限界が指摘されています。Verizonの2021年データ侵害調査報告書によると、セキュリティ侵害事件の原因の大半が弱い、または盗まれた認証情報であり、これは単純なパスワードベースのセキュリティがもはや十分でないことを示唆しています。

     

    こうした背景の中、多要素認証(MFA)の重要性が急速に高まっています。多要素認証は、従来の単一要素認証の脆弱性を補い、組織のデータとシステムを保護するための鍵となっています。しかし、多要素認証の導入は複雑です。情報システム部門にとって、多要素認証はセキュリティレベルを劇的に向上させるだけでなく、組織全体のセキュリティ文化を形成する機会を得られます。

     

    本記事では、多要素認証の基本的な概念から2要素認証との違い、その導入方法まで、詳しく解説していきます。



    多要素認証(MFA)とは

    多要素認証は、複数の認証要素を組み合わせたアクセス制御システムのことを指します。具体的には、ユーザがシステムへのアクセスを要求する際に、2つ以上の異なるカテゴリーの証明(何かを知っている、何かを持っている、何かである)を提供する必要があります。

    たとえば、ユーザ名とパスワードに加えて、スマートフォンへの一時的なコード送信、指紋や顔認識といった具合です。これにより、もし一つの要素が侵害されても、他の要素が侵害されていなければ、不正アクセスを防ぐことができます。


    重要性

    サイバー攻撃の手法はますます進化し、洗練されています。Verizonの2021年データ侵害調査報告書によると、サイバー攻撃の中でも特にフィッシング攻撃が増加していることを指摘しており、従業員の認証情報が盗まれるリスクが高まっています。また、Microsoftのセキュリティチームによる2020年の報告によれば、多要素認証を使用することで、99.9%のアカウント侵害攻撃を防ぐことができるとされています。これは、単一要素の認証システムと比較して、多要素認証のセキュリティの強さを示しているでしょう。

     

    これらの調査結果は、多要素認証が単なるオプションではなく、現代のデジタルセキュリティにおいて必要不可欠な要素であることを強く示唆しています。企業は、サイバー攻撃のリスクを認識し、組織全体のセキュリティ対策として多要素認証の導入を検討する必要があります。

     

    多要素認証を導入すれば、攻撃者が単一の認証要素を突破した場合でも、追加認証が必要なため、重要なデータやシステムへの不正アクセスを効果的に防ぐことが可能です。


    多要素認証と2要素認証・2段階認証の違い

    多要素認証と混同されるのが2要素認証と2段階認証です。ここからは、それぞれの違いを見ていきましょう。

    2要素認証との違い

    多要素認証は、2つ以上の異なるタイプの認証要素を組み合わせたセキュリティシステムです。これらの要素は一般に、以下3つのカテゴリーに分類されます。

     

       知識要素

       所持要素

       生体要素

     

    2要素認証(2FA)は、多要素認証の一種であり、正確には2つの異なるタイプの認証要素を用いることを指します。 

    たとえば、あるオンラインバンキングシステムが、ユーザ名とパスワード(知識要素)の入力と、ユーザのスマートフォンに送信される一時的なコード(所持要素)の入力を要求する場合、これは2要素認証となります。ここでは、2つの異なるタイプの認証要素(知識と所持)を組み合わせています。

     

    一方、別のシステムがユーザ名とパスワード(知識要素)、スマートフォンに送信されるコード(所持要素)、さらに指紋認証(生体要素)を要求する場合、これは多要素認証に該当します。ここでは3つの異なるタイプの認証要素を使用しており、2FAよりもセキュリティレベルが高くなります。

    2段階認証との違い

    2段階認証は、アクセス権を確認するために2つの異なるプロセスまたはステップを要求するセキュリティ手法です。これは必ずしも異なる種類の認証要素を要求するものではありません。

     

    たとえば、ユーザがオンラインアカウントにログインするとき、最初にパスワードを入力し(第1ステップ)、次に同じパスワードを再入力するか、もしくはセキュリティ質問に答える(第2ステップ)。ここでは、両ステップとも知識要素に分類されます。 

    このように、2段階認証は同じ種類の要素で認証するのに対し、多要素認証は異なる種類の要素で認証を実施するのです。


    多要素認証の主要な要素と種類

    多要素認証は、セキュリティを強化するために複数の認証要素を組み合わせるアプローチです。以下に、多要素認証の主要な要素とその種類について、具体例を挙げながら解説します。

    知識認証

    知識認証は、ユーザが知っている情報を用いる認証方法です。たとえば、パスワードやPIN、ユーザのみが回答できるセキュリティ質問などです。

    所持認証

    所持認証は、ユーザが物理的に持っているアイテムを用いる認証方法。ワンタイムパスワードを生成するセキュリティトークンやスマートカード、スマートフォンアプリなどが該当します。

    生体認証

    生体認証は、ユーザの身体的または行動的特徴を用いる認証方法です。指紋スキャナーや顔認識システム、虹彩スキャンなどが該当します。

    位置認証

    位置認証は、ユーザの物理的な場所に基づいて認証を行う方法です。スマートフォンなどのデバイスのGPS機能やIPアドレス制限などが該当します。


    多要素認証の導入手順

    多要素認証の導入は、企業のセキュリティを強化する上で非常に重要ですが、計画的かつ段階的に進める必要があります。ここからは、具体的な導入手順を見ていきましょう。

    導入準備

    導入の準備段階では、まず組織内のセキュリティニーズとリスクを評価します。どの情報の保護が必要なのか、現行の認証システムのどこに脆弱性があるのかなどを特定することが重要です。

     

    この段階では、IT部門、セキュリティチーム、経営層などの利害関係者を巻き込み、多要素認証導入の目的とメリットを共有し、組織全体での理解と支持を得なければいけません。

    ツール選定

    多要素認証ツールの選定には、特定のニーズや予算にあったツールを選ぶ必要があります。たとえば、高いセキュリティを確保したいなら、生体認証に対応した多要素認証ツールが最適できでしょう。

    まずはニーズを明確にし、複数のツールをピックアップします。それから、機能やコストを比較検討して、自社に適したツールを選定しましょう。

    ポリシーとユーザ手順の作成

    導入に先立って、多要素認証の使用に関する明確なポリシーを策定し、ユーザに対しては、新しい認証プロセスの使用方法を教育する必要があります。ポリシー策定では、アクセス制御、ユーザ登録、認証プロセスの詳細を記入しましょう。

    導入と展開

    多要素認証の導入は、組織全体に影響を与えるため、段階的に実施することが望ましいです。初期段階では、限られた範囲で多要素認証を導入し、フィードバックを収集してシステムを調整します。また、適切なサポート体制も構築し、従業員が直面する可能性のある問題に迅速に対応できるようにする必要があります。


    多要素認証の導入ポイント

    多要素認証の導入には、ただツールを適用するだけでなく、適切な計画と実施が重要です。以下に、多要素認証導入の際の主なポイントを説明します。

    操作性をチェック

    多要素認証の導入の際には、ユーザーインターフェースと操作性に注意を払う必要があります。操作性が複雑な場合、社員が使いこなせないだけではなく、導入後の運用にも支障をきたす可能性があるためです。可能な限り、直感的で簡単な操作ができるツールを選定しましょう。

    複数の認証要素を活用

    多要素認証の効果を最大化するためには、異なるタイプの認証要素を組み合わせることが重要です。知識要素、所持要素、生体要素など、各種要素を適切に組み合わせ、セキュリティを強化しつつ、ユーザの利便性も維持するようにしましょう。

    ユーザ教育とセキュリティ意識の向上

    多要素認証の導入では、ツール選定だけではなく、ユーザ教育も同等に重要です。従業員に対して、多要素認証のメリット、使用方法、そしてセキュリティに対する意識を高めるための教育やトレーニングを実施することで、導入後のスムーズな移行を促進できます。

    組織全体での展開

    多要素認証は、組織全体のセキュリティ体制を強化するために導入されるものです。そのため、組織全体で導入を計画し、各部門やチームがシステムの変更を理解して、適切に対応できるようにする必要があります。組織全体で導入するには、内部コミュニケーションが重要な役割を果たします。


    多要素認証の未来

    現在、多要素認証はデジタルセキュリティの重要な要素として広く採用されていますが、技術の進化と共にその未来も変化しています。ここでは、多要素認証の将来的な展望と、それを補完するセキュリティ対策について考察します。

    多要素認証の限界

    多要素認証は強力なセキュリティツールですが、完璧なわけではありません。たとえば、フィッシング攻撃により、ユーザが認証情報を攻撃者に知らせてしまう場合、多要素認証もその効果を発揮できません。

     

    また、デバイスの紛失や盗難は、所持要素のセキュリティを損なう可能性があります。このような限界に対処するため、多要素認証を補完する追加のセキュリティ対策を導入する必要があります。

     

    特に重要なのが、情報漏えい後の対応です。サイバー攻撃の手法は日々発展しており、完璧に防ぐことはできません。だからこそ、サイバー攻撃を受ける前提での対策が必要となります。

     

    そこでおすすめしたいのがダークウェブ監視です。ダークウェブは、不正な活動や情報の取引が行われるインターネットの隠れた部分であり、ここで企業の機密情報や個人データが取引されます。

     

    ダークウェブを監視すれば、自社情報の流出状況を確認し、迅速に適切な対策を講じられるようになります。流出している兆候を監視することで、セキュリティ侵害の早期発見に繋がります。


    ダークウェブモニタリングは必要? メリットとデメリットを解説

    パスワードレス認証の可能性

    パスワードレス認証は、多要素認証の未来として注目されています。パスワードレス認証とは、パスワードを使用せずに、スマートフォンや生体認証などの他の手段を使用してユーザを認証する手法です。パスワードの弱点(忘れやすい、盗まれやすいなど)を排除しつつ、より使いやすく、安全な認証方法を実現できると期待されています。

     

    パスワードレス認証の導入には、既存の認証システムの改善や新しい技術の採用が必要です。生体認証技術の進化や、モバイルデバイスを活用した認証システムの普及が、この方向性を後押ししています。


    まとめ

    現代のサイバーセキュリティ環境では、多要素認証の導入が不可欠です。パスワードのみの単一要素認証を超えるセキュリティレベルを提供する多要素認証は、不正アクセスやデータ漏えいのリスクを大幅に低減します。

     

    多要素認証ツールを選ぶ際、最も重要なのはその使いやすさです。複雑すぎる機能や設定は、ユーザや管理者にとって大きな負担となるため、操作性の良さを重視して、機能性やコストの面でも慎重に選定することが肝要です。

     

    さらに、現代のサイバー攻撃対策においては、被害の拡大を未然に防ぐアプローチが重要です。特に、機密情報の漏えいがダークウェブでの取引につながることを考慮すると、定期的なダークウェブの監視が効果的な対策と言えます。

     

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