情シス担当者必見!データ暗号化の基本:仕組み、種類、および実装方法

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    情シス担当者必見!データ暗号化の基本:仕組み、種類、および実装方法
    作成日時 23/12/21 (08:38) View 396




    企業における機密情報の保護は、常に不安と隣り合わせです。「私たちのデータは本当に安全なのか?」 この問いに対する答えは、今日のデジタル化された世界でますます重要になっています。IBMとPonemon Instituteによる最新の研究によれば、2023年の情報漏えいの平均コストは450万ドルに達し、過去3年間で15%増加しました。

     

    また、情報漏えいの影響は金銭的な損失だけにとどまりません。信頼と評判への打撃も甚大です。このようなリスクを避けるために、データを解読できない状態にする「暗号化」の基本について理解を深める必要があります。本記事では、データ暗号化の基本や仕組み、種類、実践的な導入方法について解説します。

     

    データ暗号化とは

    データ暗号化とは、情報を平文(平易な形式のデータ)から暗号文(読み取り不能な形式のデータ)に変換するセキュリティ手法です。

     

    暗号化アルゴリズムは、データを暗号文に変換するために使用される手法であり、暗号キーを使ってデータを予測不可能な形式に変更します。暗号化されたデータは、解読キーを使用することで、元の平文に戻すことが可能です。つまりデータ暗号化は、暗号アルゴリズム、暗号キー、復号キーという3つの基本要素から成り立っています​​。

     

    平文から暗号文への変換により、暗号キーを持つユーザー以外にはデータの解読が不可能になります。暗号化アルゴリズムの種類については次の章で詳しく解説しますが、主に対象暗号方式、非対象暗号方式、ハイブリッド暗号方式の3つの暗号システムが存在します

     

    データ暗号化をすることで、秘密キー(またはパスワード)へのアクセスを持つ人々だけがデータを読めるようになるため、セキュリティの向上やデータの信頼性などが高まるのです。

     

    暗号化アルゴリズムの種類

    暗号化アルゴリズムは主に3つのタイプに分類されます。

     

       対称暗号方式

       非対称暗号方式

       ハイブリッド暗号方式

     

    各種類について詳しく見ていきましょう。

    対称暗号方式(共通鍵暗号方式)

    対称暗号方式は、データの暗号化と復号化に同じ鍵(秘密のコード)を使用する方式のこと。つまり、情報を安全に送るために鍵をかけ、受け取った人がその鍵を使って情報を読めるようにする方式です。

     

    この方式のメリットは、暗号化と復号化のプロセスが比較的簡単で速いことです。しかし、鍵を安全に共有する必要があるため、その鍵の管理がセキュリティの重要な部分となります。

    よく使われる対称暗号方式の例としては、AES(Advanced Encryption Standard:高度暗号標準)やDES(Data Encryption Standard:データ暗号標準)などがあります。これらの方法は、オンラインバンキング、電子メールのセキュリティ、機密ファイルの保護など、多くのアプリケーションで使われています。

    非対称暗号方式(公開鍵暗号方式)

    非対称暗号方式とは、データの暗号化と復号化に異なる二つの鍵を使用する暗号化技術です。一方の鍵を「公開鍵」と呼び、誰でもアクセスできるように公開されています。もう一方の鍵は「秘密鍵」または「プライベートキー」と呼ばれ、個人が秘密にしておくべきものです。

     

    この方式の基本的な仕組みは以下の通りです。

     

       暗号化:送信者は受信者の公開鍵を使用してメッセージを暗号化します。公開鍵は自由に配布するため、インターネット上で安全に共有することができます。

       復号化: 暗号化されたメッセージは受信者の秘密鍵によってのみ復号化することができます。秘密鍵は受信者だけが保持しているため、秘密鍵を持たない他者はメッセージを読むことができません。

     

    非対称暗号方式は、デジタル署名、安全な電子メール通信、オンライン取引などに使用され、インターネット上でのセキュリティとプライバシーを強化するために広く採用されています。

     

    セキュリティが高い反面、対称暗号方式に比べて計算処理が複雑で、時間がかかるという欠点があります。しかし、鍵の安全な配布が容易であるため、特にインターネットでのコミュニケーションに適しています。

    ハイブリッド暗号方式

    ハイブリッド暗号方式は、対称暗号方式と非対称暗号方式の両方の長所を組み合わせた暗号化手法です。実際の暗号化プロセス配下の通りです。

     

       非対称暗号化を使用してセッション鍵を交換: 通信を始めるとき、送信者と受信者は非対称暗号化を使用して「セッション鍵」と呼ばれる一時的な対称鍵を安全に交換します。送信者は受信者の公開鍵を使用してセッション鍵を暗号化し、受信者はその秘密鍵を使用してセッション鍵を復号化します。

       対称暗号化を使用してデータを暗号化::セッション鍵が安全に交換されると、その鍵を使って対称暗号方式によりメッセージやデータを暗号化します。対称暗号化は非対称暗号化に比べて高速なため、大量のデータの暗号化に適しています。

       データの送受信: 暗号化されたデータは、インターネットを介して送信され、受信者はセッション鍵を使ってデータを復号化し、元のメッセージまたは情報を取り出します。

     

    ハイブリッド暗号方式は、非対象暗号方式の安全な鍵交換のメリットと、対称鍵暗号方式の効率性を兼ね備えているため、セキュリティが必要な様々なオンライン通信で広く採用されています。たとえば、セキュリティの高い電子メールの交換、オンラインバンキングの取引、安全なファイル転送など、多くのアプリケーションで利用されています。


    どの暗号化方式がよいのか

    どの暗号方式が最適かは、使用する環境や特定のニーズによって異なります。以下に、各方式の違いを表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

     

     

    暗号方式

    鍵の種類

    速度

    鍵配布の容易さ

    適用シナリオ

    一般的な使用例

    対称暗号方式

    同じ鍵を使用

    高速

    困難

    内部ネットワークでの大量データ暗号化

    ファイルストレージ、データベース

    非対称暗号方式

    二つの異なる鍵を使用

    低速

    容易

    インターネット上での安全なデータ交換

    電子メールのセキュリティ、デジタル署名

    ハイブリッド暗号方式

    両方の方式を組み合わせ

    中速

    比較的容易

    セキュアな通信でのセッション鍵交換とデータ暗号化

    オンラインバンキング、セキュアなメール



    それぞれの暗号方式は、その使用状況や必要とされるセキュリティレベルに応じて選択されます。たとえば、対称鍵暗号方式は計算が速いため、大量のデータを高速に暗号化する必要がある場合に適しています。

     

    一方、非対称鍵暗号方式は、鍵の配布が容易であり、安全なデジタル署名の作成に使用されることが多いです。これらの暗号方式はそれぞれ異なるセキュリティ要件に対応しており、適切な状況で利用することで情報システムのセキュリティを確保できます。

    データ暗号化のメリット

    データ暗号化には複数のメリットがあり、ビジネスにおいて重要な役割を果たします。以下はその主要なメリットです。

    セキュリティの向上

    暗号化はデータを不正アクセスから保護し、情報漏えいのリスクを軽減します。特に、機密情報を扱う際や、データを公共のネットワーク経由で送信する場合に有効です。

    データの信頼性の向上

    暗号化されたデータは改ざんが困難です。また、 データが暗号化されていると、第三者による未承認の変更を容易に識別することができます。これにより、信頼性の高いデータに基づいて、分析や意思決定を行えます。

    転送データの保護

    インターネット経由でデータを転送する際、暗号化はデータを読み取り不可能な形に変換するため、送受信中の傍受を防ぎます。

    クラウドストレージデータの保護

    クラウドサービスに保存されているデータも、暗号化することで外部からの攻撃に対する保護を強化できます。

    ブランドの信頼性の向上

    顧客データを暗号化すれば、企業は顧客の信頼を得ることができます。顧客は、自分たちの情報が安全に保護されている企業に対して、より信頼感を持つ傾向にあるためです。


    実践的なデータ暗号化戦略

    データ暗号化をする前には、まずは暗号化の範囲を決めなければいけません。ディスクに含まれるすべてのデータが対象なのか、それともファイルレベルで暗号化したいのか、暗号化の範囲により必要な暗号化ソフトウェアは異なります。

     

       全ディスク暗号化:コンピュータの全てのデータを暗号化して、万が一盗まれてもデータが読めないようにします。BitLocker(Windows向け)やFileVault(Mac向け)といったツールが一般的です。これらのツールはシステムを起動する際にパスワードを要求し、正しい認証がなければデータにアクセスできません。

     

       ファイルレベル暗号化:特定の重要なファイルやフォルダだけを暗号化します。AxCryptやVeraCryptといったソフトウェアを使って特定のファイルやフォルダを暗号化できます。

     

       データベース暗号化:データベース内の情報を保護するために、特定の列や行を暗号化します。 SQL ServerやOracle Databaseには、データベース内の情報を暗号化するための組み込み機能があります。

     

       アプリケーションレベル暗号化:アプリケーションが使用するデータを直接暗号化し、より高度な保護を提供します。 特定のアプリケーション用にカスタムされた暗号化ソリューションを開発することも可能ですが、これは一般的に専門の知識が必要です。

     

    これらの方法を使って、企業はデータを安全に保ち、顧客の信頼を獲得できます。もっとも簡単な方法としては、GoogleやMicrosoftなどのデータ暗号化をしてくれるクラウドサービスを利用することです。


    データ暗号化とダークウェブ脅威への対策

    データ暗号化はサイバーセキュリティの基礎ですが、ダークウェブの脅威を忘れてはいけません。ダークウェブは、サイバー犯罪者が盗んだデータを匿名で売買する隠れたインターネットの市場です。そこでは、個人情報、クレジットカード情報、企業秘密が取引されています。

     

    盗まれた情報がダークウェブで取引されていないかを監視することは、早期発見と迅速な対応につながります。これは、情報漏えいが発生した際の損害を最小限に抑え、対応策を速やかに立てることを可能にします。ダークウェブ監視サービスは、不正な取引の警告を提供し、自社データの流出を追跡することで、企業が脅威に対処することを支援します。

     

    データ暗号化とダークウェブ監視のほかにも、強力なパスワードポリシーの採用、多要素認証の使用、定期的なセキュリティ更新とパッチ適用、そして従業員のセキュリティに関する継続的な教育などを組み合わせることで、データ漏漏えいリスクを減らし、万が一のデータ漏えいが発生した場合でも、その影響を最小限に抑えることが可能です。


    まとめ

    データ暗号化は、情報を保護し、不正アクセスから守る重要なセキュリティ手法です。業種や規模に関係なく、あらゆる企業が情報漏えいの被害に遭っている現状を踏まえると、データ暗号化は非常に重要なセキュリティ対策の一つだと言えます。

     

    また、現代のサイバーセキュリティ対策は、被害に遭うことを前提にしなければいけません。つまり、被害を最小限に抑える対策も必要です。

    定期的にダークウェブを監視すれば、自社の流出状況を確認し、迅速な対策を講じられます。結果的に、被害の拡大やさらなるサイバー攻撃の防止、顧客の信頼の回復などへとつなげられるでしょう。「自社の情報は流出していないだろうか?」と不安になった場合、ぜひStealthMoleをご検討ください。


     

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