今さら聞けないゼロトラストセキュリティ│情シス入門者に向けてわかりやすく解説

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    今さら聞けないゼロトラストセキュリティ│情シス入門者に向けてわかりやすく解説
    作成日時 24/04/17 (09:22) View 100






    ここ数年、企業を標的としたランサムウェア攻撃、フィッシング詐欺、なりすましEメールといったサイバー攻撃の脅威は、日々その手法を進化させ、セキュリティ対策を巧みに回避しています。

     

    このような厳しい環境の中、大きな注目を集めているのが「ゼロトラストセキュリティモデル」です。ゼロトラストの原則は「決して信頼せず、常に検証する」であり、セキュリティ対策をした内部ネットワークも信頼をしてはいけないという考えです。

     

    本記事では、ゼロトラストセキュリティについて、その基礎概念から実装の手順、そして導入にあたって直面する可能性がある問題点までを、情報システム入門者でも理解しやすいようにわかりやすく説明します。

     

    ゼロトラストセキュリティとは

    ゼロトラストセキュリティとは、「何も信用しない、すべてを検証する」という考え方に基づいたセキュリティ対策です。どんなデバイスやネットワークも初めから信用せず、アクセスする前に必ずその正当性を確認するという考えが軸となっています。

     

    従来のセキュリティモデルが「信頼できる内部(=企業内のシステムやネットワーク)」と「信頼されない外部(=自社以外のインターネットや他のネットワーク)」という区別をしていたのに対し、ゼロトラストモデルではそのような境界を設けず、すべてのアクセス要求を検証します。

     

    ここからは、ゼロトラストセキュリティの重要性を理解するため、その歴史を見ていきましょう。

    その歴史

    ジョン・キンダーバグ氏が提唱したゼロトラストの概念は、サイバー攻撃の増加に伴い、「内部ネットワークはセキュリティツールを導入することで安全である」という従来の考え方に疑問を投げかけました。キンダーバグ氏の視点では、「セキュリティ対策を講じた企業のネットワーク内でも、外部と同様に潜在的な脅威が存在する」と考えられるべきでした。

     

    たとえば、サイバー攻撃者は従業員のスマートフォンからパスワード情報を盗み、容易に企業のネットワーク内に侵入できます。もしくは、(元)従業員が意図的に情報流出することもあるでしょう。ネットワーク内は安全という信頼が、企業の油断を生み、サイバー攻撃の原因となっていたのです。

     

    このような背景から、企業のネットワーク内も外も安全ではないというゼロトラストが誕生しました。ゼロトラストセキュリティの発展は、クラウドコンピューティングの普及とも密接に関連しています。クラウドサービスの利用が増えるにつれ、従業員やデータが組織の物理的な境界を超えて移動するようになり、セキュリティを物理的な場所ではなく、アクセスしているリソースに基づいて確保する必要性が高まったのです。


    ゼロトラストの5大原則

    ゼロトラストセキュリティモデルには、5つの基本原則があります。これらの原則は、企業がセキュリティの厳格さを保ちながら、柔軟性と運用の効率を確保するために不可欠です。

    明確な検証

    ゼロトラストセキュリティの最も基本的な原則は「全てのユーザーやデバイスのアクセス要求を、信頼できると仮定せずに検証する」です。従業員、パートナー企業、さらには経営層であっても例外ではなく、全員が検証の対象となります。

     

    アクセス許可をする前に、ユーザーの身元とデバイスのセキュリティ状態の正当性を確認することで、サイバー攻撃のリスクを軽減できるのです。

    最小限のアクセス権限

    従業員が業務を行うのに必要最低限の情報やリソースにのみアクセスすることを許可します。これにより、もしセキュリティ侵害が発生した場合でも、攻撃者がアクセスできる情報の範囲が限定されます。この原則は、企業内のデータへの不必要なアクセスを減らし、リスクを最小化します。

    侵害を前提とする

    侵害を前提とするアプローチでは、セキュリティ侵害は避けられないものと考えます。サイバー攻撃を受けるとみなすことで、企業はサイバー攻撃を受けた場合に迅速に対応し、損害を最小限に抑えられるようになります。

    マイクロセグメンテーション

    マイクロセグメンテーションは、ネットワークを小さなセグメントに分割し、それぞれのセグメントを個別に保護することで、内部からの攻撃や潜在的な脅威を防ぐ手法です。

     

    このアプローチにより、もし攻撃者がネットワーク内に侵入しても、限られた範囲に留まり、全体への影響を最小限に抑えられます。

     

    簡単に言えば、マイクロセグメンテーションは、大きなネットワークを小さな保護された部分に分割して、セキュリティを強化する技術です。

    マルチファクタ認証(MFA)

    マルチファクタ認証は、ユーザーがパスワードと生体認証、パスワードとSMSのように複数の認証方法を使用してログインする手法です。現在の高度化したサイバー攻撃の前では、もはやパスワードは安全ではありません。

     

    たとえば、従業員が簡単なパスワードの設定やパスワードの使いまわしをしている場合、サイバー攻撃者はそのパスワードを盗み、企業のネットワークへ侵入するのです。

     

    MFAを導入することで、パスワードが盗まれたとしても、サイバー攻撃者は他の認証法も突破する必要があるため、不正アクセスのリスクを大幅に減少させることができます。

     

    情シス初心者向け! 正しい多要素認証の知識と導入手順とは



    ゼロトラストの実装方法

    ゼロトラストセキュリティモデルの実装は、一夜にして完了するものではなく、段階的に進めることが重要です。以下に、ゼロトラストセキュリティモデルを実装するための手順をご紹介します。

    ステップ1:守るべきデータの特定

    ゼロトラストセキュリティ実装の最初のステップは、重要なデータの特定をすることです。具体的には、機密情報や顧客データ、知的財産、アプリケーション、サービスなど保護する必要があるすべてのアセットを特定します。また、アセットの保管場所と、それらにアクセスする必要がある人物を理解することが重要です。

    ステップ2:トラフィックとデータフローの分析

    ネットワーク内でのデータの動きや、セキュリティの強化が必要な部分を特定します。たとえば、あなたがインターネットから重要な文書をダウンロードして、それを同僚にメールで送る場合、そのデータの流れを調べます。

     

    こうすることで、どのデータが外部に漏れやすいか、どこにセキュリティを強化すべきかが判明します。これは企業のネットワークを小さな区域に分けて、それぞれをしっかり守る「マイクロセグメンテーション」の準備にも役立ちます。

    ステップ3: セキュリティポリシーの策定

    セキュリティポリシー策定では、会社の重要な情報とアセットの特定、データの流れの分析後に、どのように情報を守り、不正アクセスや脅威にどう対応するかのルールを定めます。

     

    特定の情報に誰がアクセスできるか、どのようにデータを保護するか、もしセキュリティ侵害が発生した場合にどのように対処するかを決めましょう。

     

    また、セキュリティポリシーは、ゼロトラストの考え「全てを疑い、確認する」にもとづいて作成されなければいけません。

    ステップ4: アクセス制御と認証の強化

    このステップでは、最小限のアクセス権限を設定し、MFAを導入することが重要です。各ユーザーやデバイスに対して、必要な認証手順を設定しましょう。

     

    これにより、必要な人物のみが重要な情報やシステムへアクセスできるため、不正アクセスのリスクを最小限に抑えられます。

    ステップ5: テクノロジーとツールの導入

    ゼロトラストセキュリティモデルの実施には、テクノロジーとツールの導入が不可欠です。

     

    数あるツールの中でも注目するべきは、内部ネットワーク対策のツールとなります。具体的には、EDR(エンドポイント対策ツール)、ネットワーク内の細かい区分けを可能にするセグメンテーションツール、そしてサイバー脅威の最新情報を提供するインテリジェンスプラットフォームなどです。

     

    これらのテクノロジーやツールを導入することで、セキュリティ体制を強化し、ゼロトラストセキュリティモデルの実装をより確実に進められます。

    ステップ6: 継続的なモニタリングと評価

    ゼロトラストセキュリティモデルは実装して終わりではありません。サイバー攻撃は進化しているため、継続的なモニタリングと評価を行い、ゼロトラストセキュリティの精度を高める必要があります。


    ゼロトラスト導入の課題と解決策

    ゼロトラストセキュリティモデルを実装する際、数多くの課題に直面することでしょう。ここからは、主な課題とその対策を見ていきましょう。

    課題1:社内の協力を得られない

    ゼロトラストセキュリティモデルへの移行には、新たな体制の構築やツールの導入が必要となるため、従業員や経営層から反対される可能性があります。まずは、ゼロトラストセキュリティの重要性を経営陣に理解してもらい、トップダウンでゼロトラストへの移行を進めましょう。

    同時に従業員が新たなツールやルールになじめるように、定期的に社内教育を実施することが重要です。

    課題2: 複雑性と実装の難易度

    ゼロトラストモデルは、複雑であり、正確な実装が求められます。また、適切なテクノロジーとポリシーの選定には、専門知識が必要となるでしょう。サイバーセキュリティに精通した人材がいない場合、セキュリティコンサルタントに協力してもらうとよいでしょう。

    課題3:既存システムとの互換性

    既存システムとの互換性が課題になる可能性もあります。解決策として、段階的アプローチを採用し、最も重要なデータから保護を開始し、徐々に全システムに拡大していくことが挙げられます。

     

    たとえば、金融機関が顧客データを保護する場合、初期段階で重要な顧客情報管理システムにゼロトラストを適用し、次に内部通信ネットワーク、最後に一般的なファイル共有サービスへと範囲を広げるアプローチが考えられます。

     

    段階的にゼロトラストセキュリティを導入することで、システムの大幅な停止による業務中断や顧客体験の低下を防ぎつつ、徐々にシステム全体のセキュリティを向上させることが可能です。

    課題4: 継続的な監視と管理の必要性

    ゼロトラストセキュリティモデルの維持には、継続的な監視と管理が必要ですが、これには大量の時間とリソースがかかります。中小企業や情報セキュリティ人材が少ない企業にとっては、継続的な監視と管理が大きな負担になるでしょう。

     

    この課題を解決するには、自動化ツールやサービスの活用が有効です。たとえば、セキュリティ監視システムを自動化することで、異常なアクセスをリアルタイムで検出し、対処するプロセスを高速化できます。

     

    また、AIや機械学習を組み込んだツールは、膨大なデータからパターンを学習し、未知の脅威を予測する能力をセキュリティチームに提供します。

     

    これらの技術を駆使することで、セキュリティチームはより戦略的なタスクに集中し、効率よくセキュリティ態勢を強化できるのです。


    ゼロトラストに関するよくあるQ&A

    最後にゼロトラストに関するよくあるQ&Aをご紹介します。

    Q:ゼロトラストセキュリティとは何ですか、そしてなぜ必要なのですか?

    ゼロトラストセキュリティは、内部または外部の区別なく、全てのアクセス要求を検証し、最小限のアクセス権限を適用するセキュリティモデルです。

     

    「決して信頼せず、常に検証する」という理念にもとづき、データとシステムを保護します。このモデルは、脅威が絶えず進化し、従業員がリモートワークやクラウドサービスを利用する現代において、従来のセキュリティアプローチよりも適切な保護を実現します。

    Q:ゼロトラストセキュリティを実装する主なステップは何ですか?

    ゼロトラストセキュリティを実装する主なステップは、以下のとおりです。

     

    1. 重要なデータとアセットの特定
    2. トラフィックとデータフローの分析
    3. 適切なセキュリティポリシーの策定
    4. アクセス制御と認証の強化
    5. 必要なテクノロジーとツールの導入
    6. 継続的な監視と評価

    Q:既存のITインフラにゼロトラストをどのように統合しますか?

    既存のITインフラにゼロトラストを統合するには、まずは現在のセキュリティ状況を評価し、ゼロトラストモデルの要件に基づいて改善計画を策定することが重要です。

     

    また、段階的なアプローチを採用し、重要なデータとシステムから始めて徐々に拡大することで、互換性の問題を最小限に抑えつつ、セキュリティ体制を強化できます。

    Q:ゼロトラストセキュリティの主な課題は何ですか?

    ゼロトラストセキュリティの主な課題には、社内の協力が得られない、実装の複雑性、既存システムとの互換性問題、継続的な監視と管理の必要性があります。これらの課題に対処するには、全体のコミットメント、適切な計画とリソースの割り当て、専門知識の活用、そして技術の適応が必要です。


    まとめ

    何も信じないで、サイバー攻撃を受ける前提で対策を進める「ゼロトラストセキュリティモデル」は、現代のサイバー攻撃対策には欠かせないアプローチです。

     

    ゼロトラストには5つの基本原則がありますが、どの企業でもすぐに取り組めるのが、最小限のアクセス権限の設定とMFAの導入です。この2つに取り組むだけでも、セキュリティ力を大幅に高められます。

     

    また、サイバー攻撃を受ける前提で対策を進めるということは、攻撃被害を最小限に抑えるアプローチも考えなければいけません。サイバー攻撃者は、盗んだ機密情報をダークウェブで売買します。つまり、ダークウェブを定期的に監視することで、流出状況を把握し、迅速に必要な対策を講じられるのです。

     

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